駒場の歴史第十一回 浦和ルーテル教会 その2

駒場の歴史も十一回を迎えました。
今回は、1丁目28番の浦和ルーテル教会の2回目です。教会の歴史と外装の特徴まで説明してきましたが、今回は、協会内の様子から、活動内容などを紹介したいと思います。
先回紹介しました十字架をデザインした玄関扉をあけて入りますと、正面に牧師事務室があります。ここは、笠原光見師が常駐して仕事をする場所で、教会の頭脳にあたります。
教会の玄関を入り、エントランスを左に抜けると、礼拝堂に入ります。礼拝堂の前の位置には、祈祷用の椅子が並んだスペースが広くとられ、その後ろが談話スペースになっています。とても斬新な感じがします。しかも内装は無垢の板がそのまま全面に張ってあります。礼拝堂というと厳かな雰囲気がするものですが、実に居心地の良い空間になっています。しかも、①の礼拝堂内の写真のように、外観では、尖塔のように見える高い部分が天井の吹き抜けになっていて、その真下に茶色がかった艶のある木の十字架があります。私は仕事柄多くの教会を見てきましたが、この雰囲気は初めてです。この天井も床も壁面も共通した雰囲気が感じられる板張りにした発想は、教会にあるオルガンに由来すると笠原師は書いておられます。そのオルガンは写真②にあるオルガンですが、ドイツ ホフリヒター社製 電子チャーチオルガンCapella Serie(カペラシリーズ)C216という機種です。コンソールの仕上げは、プリント材ではなく天然楢材のツキ板仕上げになっています。このツキ板の雰囲気を礼拝堂全体のものにしたいと考えたのが始まりだったそうです。このオルガンは、ドイツでは、教会でよく使われているオルガンで、パイプオルガンを演奏しているような感触を味わえるそうです。ちなみに、ドイツのオルガン製作技術はユネスコの世界文化遺産にしていされています。
とはいえ、この教会の良さ説明するには、実際に入ってみみるのが最良だとと思います。笠原光見師も駒場のみなさまを大歓迎するとのことですので、ぜひお尋ねください。

 

礼拝堂の正面の十字架

礼拝堂の正面の十字架

 

教会内のオルガン

教会内のオルガン

教会の活動の中心は、定期的に行われている礼拝です。
時間は、日曜日の午前中。毎月第二・第四火曜日の午後7:30からなどです。具体的にはホームページでご確認下さい。
礼拝というと、厳かで近づきがたいように思えますが、参加は自由ということです。私は、カトリックの職場にいましたので、「礼拝」ではなく「ミサ」と言いました。30年以上その仲にいましたので何百回出ているのでわかることがあります。「礼拝」、「ミサ」というのは、受ける立場は、一人の人間としてですので、自分の今を考えることになります。普段の生活では、できにくいことです。ぜひ、一度参加されることをおすすめいたします。笠原師もぜひ気軽に参加してほしいとのことでした。
また、ほぼ隔週に、「ミユージックアーク」と称して、信者さんによるロック調の歌って踊る賛美歌中心の会合があります。編制は、ドラム、ギター、ベース、キーボードです。結構本格的な演奏ですので、個人的には、盆踊りの機会などで、駒場の皆さまが聞ける会が持てたらと思っています。
そして、もっとも驚かされたことが、牧師である笠原光見師が中心になって行われているロックグループの活動です。参加されているグループは「牧師ROCKS」と言います。全員が現役の牧師さんによるバンドです。ちなみに4人の勤務地は次のとおりです。
ベースボーカル・(バンドリーダー)関野和寛牧師(日本福音ルーテル東京教会)、 ギターボーカル関満能牧師(日本福音ルーテル水俣教会)、笠原光見牧師(日本福音ルーテル浦和教会)、
ドラム  市原悠史牧師(日本福音ルーテル甲府・諏訪教会)
なぜこんなに散らばっているかは、バンドの発祥にあります。4人は、三鷹市のルーテル学院大学に入学した時に出会っています。そこで結成していますので、牧師になってからの任地はばらばらになったわけです。年に数回のコンサートを行っていますが、コンサートの直前に集まって合わせるのが数少ない練習だそうです。「牧師ROCKS」の一番雰囲気がでている2017年のコンサートのポスターを載せておきました。(写真③)
コンサートのキャッチコピーが「懺悔もできるコンサート」だそうです。コンサート会場には、懺悔室が準備されています。ただ、今まで一度も受けた人はいないとのことです。
このバンドならではの悩みがあり、葬式があったり、死にそうな人がいて看取る必要がある場合は、すぐに駆けつける必要があるので、途中から3人でコンサートを続けることになるそうです。ちなみに、2人までになってもコンサートは続けられるとのことです。
類は類を呼ぶということなのかどうかはわかりませんが、競演をするバンドに真言宗、曹洞宗、浄土真宗などの僧侶で作っている「坊主バンド」があります。写真④が「坊主バンド」の演奏中の写真で、総勢8人ですが、法事の都合で、何人集まるかはわからないとのことです。朝から法要が必ずありますので、キャッチコピーは「パッとやってピュッと帰ります!そのパッという刹那に全てを叩き込みす!」
2018年にテレビ朝日の「タモリ倶楽部」に出演しています。
仏教とキリスト経ですので、仲が悪いかと思いきや、何回か合同のコンサートを行っています。そのポスターが写真⑤です。最新のではなく見栄えの良い物を選びました。合同コンサートは注目を集めたようで、BBC(英国放送協会)の取材をうけ、イギリス国内で放送されました。

「牧師ROKS」コンサートポスター(右端が、浦和ルーテル教会の笠原光見師です。)

「牧師ROKS」コンサートポスター(右端が、浦和ルーテル教会の笠原光見師です。)

「坊主バンド」のコンサート時の写真

「坊主バンド」のコンサート時の写真

「牧師ROCKS」、「坊主バンド」の合同コンサートのポスター

「牧師ROCKS」、「坊主バンド」の合同コンサートのポスター

 

いろいろ教会のことを紹介してきましたが、とにかく、キリスト教の信者であるとか、感心があるとかは別にして、何かの機会によっていただくと、この教会の癒される雰囲気を味わっていただくことができます。駒場にこんな場所があることは嬉しいことです。
浦和ルーテル教会を2回にわたって書いてきましたが、来月は、2丁目にある「東浦和浄水場」について書きたいと思います。
終わりに、浦和ルーテル教会から、クリスマス礼拝へのお誘いが来ていますので、載せておきます。

クリスマスポスター

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